母は現在、87歳。
ですが、まだ自分の足で歩き、家族の食事を作り、確かに耳は遠くなりましたが、とてもしっかりしています。
現在、自分は実家を出て離れて暮らしていますが、母が元気でいることは、何より安心感があります。
が、その母が、丁度、今の自分くらいの年齢の時、祖父母の介護、更に唯一の身内であった実の姉の介護に明け暮れていた時代を知っています。
朝から夜まで働き、更に痴呆で徘徊を繰り返した祖父の世話、その祖父の世話を一切しない祖母の食事の世話など、「壮絶」と、云えるほどの凄い日々を過ごしていたのを間近で見ていました。
そんな時でも、母は「かわいいおじいちゃんだ」と、言って、一度も愚痴をこぼしているところを見た事も聞いた事もありません。
その当時は、今みたいに介護の苦労が取り沙汰された時代ではありませんでしたから、改めて当時の母の深い優しさに驚いたものでした。
だから、いつか自分も介護したりされたりする時が来るでしょうから、あの頃の母の様に家族を一心に愛して臨もうと心に決めているのです。